報恩講を厳修

2021年12月11日、蓮明寺の報恩講を厳修しました。おかげさまで、大切な法要が勤まりました。

講師の栖雲深泥先生(滋賀県・樹洩陽舎)は昭和20年、山口県生まれ。入寺した寺を飛び出してホームレスを経験。その後、恩師の導きにより、大学野球部の監督、女子高講師を経験し、若者との共同生活や居場所づくりにも取り組まれ、全国各地で法話をして巡ったりと、波瀾万丈の人生を送られています。講師はその歩みを「三塗の黒闇」に照らし、いわば三悪道(地獄・餓鬼・畜生)の泥にまみれた歩みだったと振り返りつつ、「生きることは、泥んこ道を歩むこと。汚れにゃならん道を皆歩いている」と表現されました。

釈尊の韋提希に対する沈黙、親鸞の唯円への共感、宮城先生とのエピソードを通して、人の悩みや苦しみに、「私もそうだ」とうなづく姿との出遇いを語られました。

「念仏は、請求書ではなく、領収書です」(米沢英雄)とご紹介され、欲望を要求していく信仰ではなく、願いを聞き受け取っていく信仰が、浄土真宗です、とお話されました。

報恩講は、浄土真宗の宗祖、親鸞聖人の命日(11月28日)に、京都の御廟(宗祖の遺骨を納めたお墓)に全国の門徒が集い、法要を営んできたことに由来する、真宗寺院が最も大切にしている法要です。

蓮明寺では、京都の報恩講が終わった12月の上旬頃にお勤めしています。すべての卓に打敷を敷き、松を芯に仏花を立て、お餅を重ねて色付けして盛る「お華束」を供え、荘厳を整え、法要では、ゆっくりと重く、一言一句を味わいながら「正信偈」「和讃」をお勤めします。

一週間の準備をかけて、大事に勤められてきた伝統行事。時代が変わっても、教えを聞き続ける人がいる限り、これからも大事にお勤めしていきたいと思います。

幕張りをしてくださった総代さんたち
お磨きをしてくださる役員さんら
蓮明寺の親鸞聖人