10月の掲示板

10月のお寺の掲示板です。

Only is not Lonely

たったひとりということは 孤独だってことじゃない

コピーライターで、ほぼ日で毎日コラムを書き続けておられる糸井重里さんのオリジナル英語とその訳から。
群れることにより、人は人格を失っていきます。
「ひとり」で立つ勇気を抱くこと。「ひとり」と「ひとり」がつながること。
それは孤独ではないよと。

江戸時代は、生まれた土地で生きて死んでゆく人がほとんどでした。それは、周囲と協調し折り合いをつけながら、同じ顔ぶれと一生涯を送るという生活です。そうした社会で培われた同調性を、地域社会や組織、家庭では、今も無意識に継承しています。群れから逸れないために、場の空気を乱さないために、自分で考えずに同調する。沈黙してやり過ごす。
私自身もそんな経験をたくさんしてきたからこそ、「ひとりでいること」「自分で考えること」を、あらためて、大事にしたいと思います。

釈尊は死の直前、「自分と法をよりどころとしなさい。他をよりどころとしてはならない」と言い遺しました。
権力者や知識人の考えに従うのではなく、教えに照らして自分で考えなさい、と。
親鸞聖人も、阿弥陀如来の願いに、「ひとえに親鸞一人がためなりけり」と捉えて、一人の自覚道を歩まれています。

久留米で何度もお話を聞いてきた玉光順正さんは、「みんなになるな 一人になれ」と繰り返し伝えられました。

ひとりでありつつ、共に歩む。最近、そのことをよく考えます。